金縛りの解き方

一時期、頻繁に金縛りにかかっていた。あまりに頻繁にかかっていたので、またなるんじゃないかと、眠りに入るのが怖かった。

金縛りになったら、絶対に目は開けられない。物理的には開けられると思うが、何か見えてしまうんじゃないかと思い、怖くて開けられない。

目をつむったまま、怖い思いと共に、解けるのを待つか、もがくか、そのまま再び眠ってしまうか。

金縛りを解こうともがいても、縛られた身体は自由に動かない。

声を出そうとした時もあったが、言葉にはならなかった。かなり小さなうめき声にはなっていたかもしれない。

何度も金縛りを解こうともがくと、もがき方のコツのようなものがわかってきた。

金縛りにかかったら、手や足の指先、体の先端からもがく。すると、金縛りから解けるのが比較的早いような気がする。「ような気がする」だ。根拠はない。